【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー



永太の左ハンドルのオープンカーで、夜の地獄のドライブが開始される。



「マジ!おまっ!スピード違反で免停喰らえクッソォォ!!」



「ふん、そんなヘマこきませんから。」



沖縄の夜の生温い風が私の顔に容赦なくぶつかり、オープンカーだからたまに顔に虫がぶつかり。



昼間闘技場行ったときは安全運転だったくせに、二人きりの時は運転荒いんですかそうですかァァァ!!



「フッ。汚ならしい顔面は、ケバい化粧が無くても健在ですね。…さ、着きましたよ。」



その地獄のドライブが終わりを告げ、私は垂らしていた鼻水を啜り、辺り一面を見渡す。



…………そこは、光に満ちていた。



「な、に。これ………!」



「蛍の群れですよ。来るのがもう少し早い時期だったらもっと沢山いたのですけどね。」



そんなこと言うけど、こんなに沢山の蛍なんか生まれて初めて見るから、さっきまでの地獄なんか、直ぐに頭から消え去り、感動が押し寄せる。



「わっ……!蛍がこっちに飛んでくる。」



私と永太を囲むように飛ぶ蛍達に、何だか無性に涙腺が擽られる。



「全く、なんて顔してるのよ、貴方は。」



「だって………グシュン、キレー、なんだもん。」



東京生まれ東京育ちの私は、沖縄の景色がいちいち綺麗過ぎて、頭がキャパオーバー状態。
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