相容れない二人の恋の行方は
「じ、実際、昔から二人きりになっても何もないし、そんなそぶりもないし、私に好意どころか興味があるのかすら疑問に……感じて……え」
私……今、何を……? これじゃあ、まるで……
「押し倒すくらい簡単だけど」
「ひっ……!」
座ったまま慌てて逃げ出そうとして、大げさな音を立ててイスからマヌケに落ちる。そんな私を、座ったままの新谷が覗き込む。
「なにしてんの?」
「や……そのっ!」
「……見えそうだよ」
「え?」
ふと視線を落とすと、床に座り込んだ自分のスカートのすそが太ももが丸見えのところまで上がっていた。慌てて立ち上がりスカートをはらってすそを直す。
なにこの感じ……
新谷と一緒に居て、いまだかつてない変なムードに戸惑いを隠せない。立ったまま固まっていると「座れよ」という新谷の声にやっと足が動いて再び椅子に座った。
「真由子が男に免疫がないのは知ってたよ。昔、いつもボクの後ろに隠れてびくびくしてたし?」
「あんな怖い人たちに囲まれたら誰だってびびりますよ! むしろ、あれがあったから余計に男性が苦手に……!」
「そんなの。ボクの後ろにいれば怖い思いすることなんてなかったんだ。それなのに、勝手に逃げ出して、別の男や弘毅にまで……」
「え……?」
どんどんと気持ちのこめられた口調になっていく新谷に気づいて顔を上げた。でも表情は涼しげなもので、じっとテーブルを見つめていた。そして私の視線に気付くと目を合わせた。
「押し倒して身体を手に入れるのは簡単だけど、それって意味あるのかな。ボクは真由子の身体だけが欲しいわけじゃない」
新谷が私の前でこんな……性的な内容の話をすることなんて今までに一度もなかったから、動揺してすぐに目を逸らして視線を落とす。すると新谷が読んでいた雑誌が目の前で勢いよく閉じられてびくっと肩を震わせた。
「どんな男を見てきたか知らないけど。他の男とボクを一緒にしないでほしいな」
新谷が立ちあがる気配を感じて恐る恐る顔を上げる。じっと私を見下ろして、目が合うときゅっと横に口を閉じたまま微かな笑みを浮かべた。
「別に焦る必要はないし。今度は二度と逃がすつもりはない。覚悟しろよ」
新谷のいつもの上からの物言いに、癖で思わず「はい」と返事をしてしまった。
そのまま、口を開けたまま固まる私を置き去りにして新谷は自室へと行ってしまった。
私……今、何を……? これじゃあ、まるで……
「押し倒すくらい簡単だけど」
「ひっ……!」
座ったまま慌てて逃げ出そうとして、大げさな音を立ててイスからマヌケに落ちる。そんな私を、座ったままの新谷が覗き込む。
「なにしてんの?」
「や……そのっ!」
「……見えそうだよ」
「え?」
ふと視線を落とすと、床に座り込んだ自分のスカートのすそが太ももが丸見えのところまで上がっていた。慌てて立ち上がりスカートをはらってすそを直す。
なにこの感じ……
新谷と一緒に居て、いまだかつてない変なムードに戸惑いを隠せない。立ったまま固まっていると「座れよ」という新谷の声にやっと足が動いて再び椅子に座った。
「真由子が男に免疫がないのは知ってたよ。昔、いつもボクの後ろに隠れてびくびくしてたし?」
「あんな怖い人たちに囲まれたら誰だってびびりますよ! むしろ、あれがあったから余計に男性が苦手に……!」
「そんなの。ボクの後ろにいれば怖い思いすることなんてなかったんだ。それなのに、勝手に逃げ出して、別の男や弘毅にまで……」
「え……?」
どんどんと気持ちのこめられた口調になっていく新谷に気づいて顔を上げた。でも表情は涼しげなもので、じっとテーブルを見つめていた。そして私の視線に気付くと目を合わせた。
「押し倒して身体を手に入れるのは簡単だけど、それって意味あるのかな。ボクは真由子の身体だけが欲しいわけじゃない」
新谷が私の前でこんな……性的な内容の話をすることなんて今までに一度もなかったから、動揺してすぐに目を逸らして視線を落とす。すると新谷が読んでいた雑誌が目の前で勢いよく閉じられてびくっと肩を震わせた。
「どんな男を見てきたか知らないけど。他の男とボクを一緒にしないでほしいな」
新谷が立ちあがる気配を感じて恐る恐る顔を上げる。じっと私を見下ろして、目が合うときゅっと横に口を閉じたまま微かな笑みを浮かべた。
「別に焦る必要はないし。今度は二度と逃がすつもりはない。覚悟しろよ」
新谷のいつもの上からの物言いに、癖で思わず「はい」と返事をしてしまった。
そのまま、口を開けたまま固まる私を置き去りにして新谷は自室へと行ってしまった。