相容れない二人の恋の行方は
「まな、これなに?」

 ケーキが入っていた袋の中から何かを取り出して新谷が言った。それを受け取りながら木崎さんが言う。小さなカードのようなものだ。

「あぁ、これ? オープン記念にクジが一枚引けたの。そういえば空くじなしとか言っていたような……」

 木崎さんはお財布から小銭を取り出すと、スクラッチ部分を削った。

「あ、3等だって! えぇっと……景品は……」

 カードの裏面を見て目を見開いて笑った。

「遊園地の入場券だって!」
「なーんだ。たいしたものじゃないな」
「ペア×2ってなってるよ。ということは4人で行けるね! 行こうよ! 弘毅君も誘って!」
「……え?」

 私と新谷の疑問符を含めた小さな呟きがぴったりと重なる。

「臨海みなとパークかぁ。昔家族で行ったきり行っていないし行ってみたいな!」

 さらに施設の名前を耳にして忌まわしき記憶が蘇る。新谷も何も答えない。そりゃそうか、弘毅さんとは色々あって顔が合わせにくいと思う。この間私が彼と連絡を取ってみたらと勧めたけど拒否もされた。
 ほんとは……新谷にとっては弘毅さんと仲直りするいい機会なのだろうけど、こればっかりは、一緒に拒否をして欲しいと願ってやまない自分がいて……

「いいよ。行っても」

 なぜだ!?
 耳を疑う新谷の返答に私は心の中で絶叫した。

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