相容れない二人の恋の行方は
 ふらつく足元を何とか奮い立たせて、パーク内のところどころに設置されたベンチまでたどり着いた。
 ぐったりする私をよそに、隣に座った新谷からはずっと笑い声が聞こえてくる。

「……っ、はははっ! 真由子は一体何がしたいんだよ~、てっきり、お化け屋敷が好きかと思って……!」
「……くっ」
「絶叫して逃げ惑う真由子が面白すぎて暗闇だってこと忘れてたよ。あ~楽しかったー」
「ほ、本物のお化けが出てくるなんて聞いてません……!」
「本物? あぁ、たしかにお化けが作り物じゃなくて実際に人が演じているところがリアルだった。追いかけてくるから逃げちゃうよな」
「一度、私を置いて逃げちゃいましたよね……ひどい……」
「何言ってんだよ。ほとんどボクを盾にして後ろに隠れていたくせに。あ、でもさ。一人が怖いからってあとからきたカップルにすがりつくのはどうかと思ったけど? 空気読めよ」
「だ、だって! 一人じゃ一生出られませんよ!」
「そうかぁ……あの時探しに戻るんじゃなくてそのまま放っておけばよかったかなぁ……」
「なっ!?」

 意地悪な発言に反応してうなだれていた顔を上げる。
 隣にちらっと目を向けると、私を見るなり新谷は吹き出しまた笑い出した。
 不愉快極まりない、はずなのに。
 爆笑する姿なんてめったに見ることがないから、じっと見入ってしまった。笑うと、普段よりずっと幼くみえるんだ……。はっと我に返った時、慌ててそっぽを向きながらなぜか無性に照れ臭かった。

「……はぁ。楽しかった。お化け屋敷も悪くないな。結構並んだし……今何時?」
「……もうすぐ4時ですけど……」
「4時!? ……あの二人来んの?」
「さぁ……」

 揃って途方に暮れ無言になる。今日は一体何をしにここに来たのだろうか……。

「今日は……どうしてここに来る気に? てっきり断るものかと……」
「どうしてって。あれ以来弘毅と会っていないし、そろそろ……傷も治ったしいいかなって」
「え……?」

 私は勝手に弘毅さんには会いたくないだろうと予想していた。
 もしかして、私が仲直りをした方がいいと言ったことを……聞き入れてくれたのだろうか。
 何と言ったらいいか分からず言葉を失うと、互いに無言の状況に耐え切れなくなって木崎さんから連絡が入っていないか確認しようとバッグに手を伸ばした時だった。

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