相容れない二人の恋の行方は
「前に少し話しましたけど。……弘毅さんは昔一時期木崎さんに想いを寄せていたことがあったみたいです。でもあなたと恋人同士だと思い込んで泣く泣く諦めた過去があって……もしかしたら最近、それが違ってたってことを木崎さん本人に聞いたのでは……」
「ふーん。昔の腹いせに真由子を巻き込んだってことか。……アホらし。まなみと何かあるんなんてありえない」
「え、でも」
「……ん?」
「い、いや……」
「はっきり言えよ。なに」

 しまった……つい、また……。ごまかそうとしても言葉が出て来なくて、そんな私を新谷は容赦なく追求する。

「でも、なに?」
「え、えっと……その」
「……もしかして」

 何かがピンと来たのか、新谷はゆっくりともたれかかった身体を起こすと腕を組んだ。

「あの日、なんのためにまなみが真由子を追ったのか分からないな」
「……え」
「勘違いしてるんだろ? 真由子がはじめてうちに来た日、まなみとボクの会話のこと」
「……それは」
「あの時、うちにいるのが真由子だと分かった瞬間、勘違いされたらまずいって一目散に部屋を飛び出して行ったのはまなみだったから……ちゃんと誤解を解いてくれたものだと思っていたんだけど」
「幼馴染……って」
「その通りだよ」
「でも……」
「身体の関係なんかあるわけがない」
「……っ」

 あっさりと、言いたくても言えない、言いずらいことを言われて背筋がピンと伸びる。

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