相容れない二人の恋の行方は
「まなみとは子供の頃から互いに家に両親がいないことが多くて一緒にることが多かったから家族のような存在だった。だからお互いに遠慮がないというか……たとえば」
「……たとえば?」
「中学くらいまではお互いに目の前で着替えることも平気だった。その時一度……まなみがはじめてブラジャーをしているのを見た時に興味本位でホックをはずしたことがあった。……それを未だに根に持っている」
「なっ、何してるんですか!」
「たしかに、ただの幼馴染とは言えないような行為だったかもしれないけど下心はない。軽い探究心だ。言っておくけど、子供だったとは言え他の人にはそんなことしてない」
「胸張って言われても……」
「だって嘘じゃない」
新谷はしれっとした態度でそう言うとつまらなさそうに視線を外に向けた。
……たしかに、木崎さん本人からもはっきりと二人の関係を黒だと決めつけるような言葉はなかったような気がする。たぶん……ううん、新谷の言っていることは本当だろう。
「……ぷっ!」
意図せず吹き出してしまった。新谷の昔の行動も、それを堂々と悪びれる様子なく淡々と語る様子も面白かったけど、それ以上に、なぜか急に心がふわっと軽くなって自然と笑みがこぼれてしまったのだ。
笑いをこらえきれずクスクスと肩を揺らして笑うこと数秒。はっと我に返って視線を感じる方へと目を向けるとばっちりと目が合う。そのまま固まっていると新谷はすぐに目を伏せ口元に柔らかな笑みを浮かべた。
「珍しい。笑うなんて」
「……どうせ、いつも仏頂面ですよ」
「ま、それはボクのせいだろうね」
「……胸張って言わないでくれますか」
少し照れくさくてぷいっとそっぽを向き外に目を向けると、観覧車はいつの間にか頂上を超え、見える景色は水平線に完全に陽が沈もうとしているところだった。パーク内にはすでに街灯の明かりが点っている。
「真由子の困惑している姿や怒った表情が結構好きだから、つい。このままじゃいけないとは思ってるんだけど……」
「せ、生徒会のメンバーのみなさんとは連絡取ってるんですか!?」
「なんだよ急に」
「いや、昔ここに一緒に来たから思い出して……」
急激に上がる心拍数に戸惑って慌てて話題を変える。平常心、平常心……
「連絡、か。取ってないな。こっちから取ることはないし、向こうからも連絡するのには勇気がいるだろうな」
「あんなに親しそうだったのに?」
「どこが。あんなうわべだけの付き合い……」
「と、特に、金城さんのことは可愛がっていたみたいだし……」
「そうかな」
「そうですよ。だって、乗り物に酔って倒れた彼女にはさっと駆け寄って……私は、放置で……」
「え……?」
「……はっ」
わ、私何を言っているのだろう。これじゃあまるで妬いているみたいじゃないか。
新谷は私が何を指して言っていることなのかすぐには分からなかったみたいだけど、少しすると「あぁ」と思い出したように呟き「懐かしいな」と言った。
「あの時はたぶん……恥ずかしかった」
「恥ずかしい? だったら、なんで」
言いながら、同時に思いだしていた。
「意識を失って倒れたあなたにさっと駆け寄って抱き上げて出て行く姿を見て……」。以前ばったり会った河本さんに言われた言葉だ。再会した時は、私を抱き上げたのに……
「真由子?」
どうしよう、しゃべれない。また顔が燃えるように熱い。
その時だった。バンという機械音とともに一気に視界が明るくなった。非常灯のみだった観覧車内に明かりが点り、観覧車についているカラフルな電飾も点灯した。
え……? この、タイミングで……?
「……たとえば?」
「中学くらいまではお互いに目の前で着替えることも平気だった。その時一度……まなみがはじめてブラジャーをしているのを見た時に興味本位でホックをはずしたことがあった。……それを未だに根に持っている」
「なっ、何してるんですか!」
「たしかに、ただの幼馴染とは言えないような行為だったかもしれないけど下心はない。軽い探究心だ。言っておくけど、子供だったとは言え他の人にはそんなことしてない」
「胸張って言われても……」
「だって嘘じゃない」
新谷はしれっとした態度でそう言うとつまらなさそうに視線を外に向けた。
……たしかに、木崎さん本人からもはっきりと二人の関係を黒だと決めつけるような言葉はなかったような気がする。たぶん……ううん、新谷の言っていることは本当だろう。
「……ぷっ!」
意図せず吹き出してしまった。新谷の昔の行動も、それを堂々と悪びれる様子なく淡々と語る様子も面白かったけど、それ以上に、なぜか急に心がふわっと軽くなって自然と笑みがこぼれてしまったのだ。
笑いをこらえきれずクスクスと肩を揺らして笑うこと数秒。はっと我に返って視線を感じる方へと目を向けるとばっちりと目が合う。そのまま固まっていると新谷はすぐに目を伏せ口元に柔らかな笑みを浮かべた。
「珍しい。笑うなんて」
「……どうせ、いつも仏頂面ですよ」
「ま、それはボクのせいだろうね」
「……胸張って言わないでくれますか」
少し照れくさくてぷいっとそっぽを向き外に目を向けると、観覧車はいつの間にか頂上を超え、見える景色は水平線に完全に陽が沈もうとしているところだった。パーク内にはすでに街灯の明かりが点っている。
「真由子の困惑している姿や怒った表情が結構好きだから、つい。このままじゃいけないとは思ってるんだけど……」
「せ、生徒会のメンバーのみなさんとは連絡取ってるんですか!?」
「なんだよ急に」
「いや、昔ここに一緒に来たから思い出して……」
急激に上がる心拍数に戸惑って慌てて話題を変える。平常心、平常心……
「連絡、か。取ってないな。こっちから取ることはないし、向こうからも連絡するのには勇気がいるだろうな」
「あんなに親しそうだったのに?」
「どこが。あんなうわべだけの付き合い……」
「と、特に、金城さんのことは可愛がっていたみたいだし……」
「そうかな」
「そうですよ。だって、乗り物に酔って倒れた彼女にはさっと駆け寄って……私は、放置で……」
「え……?」
「……はっ」
わ、私何を言っているのだろう。これじゃあまるで妬いているみたいじゃないか。
新谷は私が何を指して言っていることなのかすぐには分からなかったみたいだけど、少しすると「あぁ」と思い出したように呟き「懐かしいな」と言った。
「あの時はたぶん……恥ずかしかった」
「恥ずかしい? だったら、なんで」
言いながら、同時に思いだしていた。
「意識を失って倒れたあなたにさっと駆け寄って抱き上げて出て行く姿を見て……」。以前ばったり会った河本さんに言われた言葉だ。再会した時は、私を抱き上げたのに……
「真由子?」
どうしよう、しゃべれない。また顔が燃えるように熱い。
その時だった。バンという機械音とともに一気に視界が明るくなった。非常灯のみだった観覧車内に明かりが点り、観覧車についているカラフルな電飾も点灯した。
え……? この、タイミングで……?