相容れない二人の恋の行方は
「二人ではじめて会った日から、告白しているも同然の態度と言葉の連続で……でも軽く見えるその態度がとても本気だとは思えなくて好きにはならないって思ってたんだけど……気付いたら、自分の方が彼に惹かれていたと言うか、気になる存在になっていて。だから……二人きりになるのが怖くて。だって、たぶん迫られたら拒めないもん。この歳になって一夜限りの関係とか。遊ばれるのは嫌だわ」
「……えっと。彼の態度に色々問題はあるかもしれないけど、彼は木崎さんのことを好きだと思うけど……」
「そう?」
弘毅さんの手の速さを身を持って知っている自分としては、強く否定することが出来ない。だいたい、私はあまり彼のことを知らないので無責任に彼を擁護するような発言もすることは出来なかった。
木崎さんは自嘲気味に笑うと下を向いた。
「ううん、違う。私は理由をつけて逃げてるだけね。彼の真っ直ぐな気持ちはちゃんと分かってるし信用できるって思う。なにより、家のことなんか関係ないって口では強く言っているけど……好きな人が出来てもいずれは別れなきゃいけないのかと思うと恋愛に積極的になれないの。彼と距離を縮めて、戻れなくなるのが怖い」
「それって家が病院だからっていう……?」
「うん。私一人っ子で……病院を継ぐのは私しかいないんだけど、勉強はそんなに得意じゃなかったから自分は医者なんて目指すことできなくて」
「……その気持ち、分かるかも」
「え?」
「ううん、なんでもない。つづけて?」
続けて? の言葉に木崎さんは柔らかに微笑むと「真由子ちゃんたちがうらやましい」と今までの話題を無視した発言をした。
「はい?」
「だって、真由子ちゃんと千智には、そういう障害ないじゃない」
「いやいやいや……障害だらけ。障害しかないですよ」
「えー?」
のん気に首をかしげる木崎さんを横目に、まずは心の中で大反論。
新谷とは性格も合わないし、ものの価値観も違う。恋人同士になる以前の問題、まず人として対等になれない。決まって、私はいつも下で……。
第一、私たちは付き合っていない! いいかげんに、誤解を……
「今日四人で過ごして改めて感じた。弘毅君や真由子ちゃんと接するときの千智は、私が子供の頃から見てきた千智とはやっぱり違う。特に真由子ちゃんに対しては甘えてるっていうか。偉そうにして子供っぽいよね」
「……そうなんですか?」
「昔からなんとなく感じてたけど。あれが千智の本性なんだよね~きっと。千智はいい人に巡り合えたのね」
「で、でも、そんなの……我がままに振り回されて、こっちはたまったもんじゃ……」
木崎さんは大きな目をパチパチと瞬きさせ、首をかしげながら言った。
「……えっと。彼の態度に色々問題はあるかもしれないけど、彼は木崎さんのことを好きだと思うけど……」
「そう?」
弘毅さんの手の速さを身を持って知っている自分としては、強く否定することが出来ない。だいたい、私はあまり彼のことを知らないので無責任に彼を擁護するような発言もすることは出来なかった。
木崎さんは自嘲気味に笑うと下を向いた。
「ううん、違う。私は理由をつけて逃げてるだけね。彼の真っ直ぐな気持ちはちゃんと分かってるし信用できるって思う。なにより、家のことなんか関係ないって口では強く言っているけど……好きな人が出来てもいずれは別れなきゃいけないのかと思うと恋愛に積極的になれないの。彼と距離を縮めて、戻れなくなるのが怖い」
「それって家が病院だからっていう……?」
「うん。私一人っ子で……病院を継ぐのは私しかいないんだけど、勉強はそんなに得意じゃなかったから自分は医者なんて目指すことできなくて」
「……その気持ち、分かるかも」
「え?」
「ううん、なんでもない。つづけて?」
続けて? の言葉に木崎さんは柔らかに微笑むと「真由子ちゃんたちがうらやましい」と今までの話題を無視した発言をした。
「はい?」
「だって、真由子ちゃんと千智には、そういう障害ないじゃない」
「いやいやいや……障害だらけ。障害しかないですよ」
「えー?」
のん気に首をかしげる木崎さんを横目に、まずは心の中で大反論。
新谷とは性格も合わないし、ものの価値観も違う。恋人同士になる以前の問題、まず人として対等になれない。決まって、私はいつも下で……。
第一、私たちは付き合っていない! いいかげんに、誤解を……
「今日四人で過ごして改めて感じた。弘毅君や真由子ちゃんと接するときの千智は、私が子供の頃から見てきた千智とはやっぱり違う。特に真由子ちゃんに対しては甘えてるっていうか。偉そうにして子供っぽいよね」
「……そうなんですか?」
「昔からなんとなく感じてたけど。あれが千智の本性なんだよね~きっと。千智はいい人に巡り合えたのね」
「で、でも、そんなの……我がままに振り回されて、こっちはたまったもんじゃ……」
木崎さんは大きな目をパチパチと瞬きさせ、首をかしげながら言った。