相容れない二人の恋の行方は
「でもそれでも、真由子ちゃんは一緒にいるんでしょ? 嫌だったら一緒にいたりなんかしないわ。逃げるよ」
「……それは」
「それか……真由子ちゃんが極度のM体質か……」
「え、えむ……。そっか、そうかもしれ……」
「あははっ! やだ~、納得しないでよぉ!」

 木崎さんは口を手で多い肩を揺らして笑い、「そうじゃないでしょ?」と言って私の顔を覗き込んだ。そしてにっこりとほほ笑む。

「千智のことが好きだからでしょ?」
「え……」
「今だってほら、昔とおんなじ。ほっぺが赤い」
「ほっぺ……」

 そっと自分の頬に指を添えると確かに熱い。金城さんや、他の女生徒が新谷を見る時に頬を染めたように私も彼女たちと同じだと言うの? それも、昔からって……

「もしかして……気付いてないの? あれ? 千智が真由子ちゃんのことを好きなのは聞いたわけじゃないけど間違いないと思うし……ん? んん? 二人って、恋人同士なんじゃ……」

 私は小さく震える声で絞り出すように言った。

「恋って……どんな感じなんですか……?」

 二十歳を超えた大人がするとは思えない、普通なら笑われてもおかしくないような質問をしている自分にすでに赤くなっている頬にさらに熱が増す。
 ふわりといい匂いが鼻をかすめる。身をぐっと寄せた木崎さんが、優しく囁きかけるような声で言った。

「心当たりのある人を思い浮かべながら胸に手を当ててみて。どきどきいってたら、恋だよ」

 そっと胸に手を当てる。
 隣から「どう?」と問いかけられて、私は小さく頷いた。

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