相容れない二人の恋の行方は
新谷視点(2)高1・春
幼小中高一貫校に通っているため高等部へ進学しても周りの顔ぶれはほぼ同じ。真新しくなった制服と校舎以外特別な変化はない。高校生になっても僕の毎日は相変わらず退屈で、むしろ年月を追うごとに磨きがかかって今ではそんな日々に息苦しさを感じることすらある。
生徒や教師からの信頼は絶大で、誰に対しても親切で他人が嫌がることも進んで受け入れる。学院理事の孫で常に誰よりも一歩前を行く優等生。それが当たり前だったし、無理をしているつもりもない。でもそんな自分は単に周りの理想を体現してみせただけの人間で、正直、僕自身自分がどんな人間か分からなくなる時がある。
生徒や教師からの信頼は絶大で、誰に対しても親切で他人が嫌がることも進んで受け入れる。学院理事の孫で常に誰よりも一歩前を行く優等生。それが当たり前だったし、無理をしているつもりもない。でもそんな自分は単に周りの理想を体現してみせただけの人間で、正直、僕自身自分がどんな人間か分からなくなる時がある。