相容れない二人の恋の行方は
 はっと気が付いて目を開けると、真っ先に視界に飛び込んできたのは新谷の顔だった。

「あ、起きた?」
「私……」
「覚えてない? コースターから降りて、自分でふらふらになりながらこのベンチの上まで来て力尽きたんだけど」

 めまいをおこしながら体を起こすと私はベンチの上にいた。

「あれ? 他のみんなは……?」
「今、コースターに乗ってる」

 ちょうど私たちの後ろで切れてしまって、生徒会のメンバーは次のコースターに乗った。
 まだ彼らが戻ってきていないことを考えると、私が気を失っていたのはほんの一瞬だったようだ。

「新谷さーん!」
「あ、戻ってきた」

 女子生徒が二人、楽しそうに手を振って戻ってくる。
 残りの三人はどうした? という会話を耳で聞きながら、私は気分の悪さに俯いて顔を覆う。

「真由子、大丈夫?」

 その言葉に私は顔を覆ったまま無言で首を振る。本当に気分が悪い。ジェットコースターなんて子供の頃に一度乗って倒れて以来、一生乗らないと決めていたのに……! 何が視察だけだ、無理をしなくてもいいだ……!

「……救護室があったよね? 悪いけど、連れて行ってもらえる?」
「分かりました!」

 私を無理やり遊園地へと連れ出した時と同じように、今度も同じ女子生徒二人に命じる。
 その時だった。「会長!」という男子生徒の声に顔を覆った手をはずして前方を見ると、金城さんが歩けなくなってしゃがみ込んでいる。まさに今の私と同じ状態だ。
 新谷はそんな彼女の元へすぐに駆け寄ると「金城、大丈夫?」と心配そうにしゃがみ込み、彼女の肩に手を置いて顔を覗き込んでいる。
 ……可愛い後輩と、使用人(わたし)の扱いの違い。腹を立てるのも馬鹿らしい。私は気にしない。

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