相容れない二人の恋の行方は
<2>
10 再会、そして…
はっと目を覚ました時、私はベッドの上にいた。
「……ここは?」
「医務室だよ」
呟いた言葉に思いもしなかった返事が返ってきて慌てて飛び起きた。
視線を感じてそろっと視線を横へと移すと、ベッド横の丸椅子に脚と腕を組んで座る人物が目に入る。
「真由子、しばらく見ない間にずいぶんと雰囲気が変わったね」
新谷だ。
あの頃と変わらない、涼しげな表情と何を考えているのか分からないガラス玉のような瞳でじっと私を見据えている。
ゴクリと息を飲み込みやっと出た言葉は。
「いえ、人違いなんじゃ……ないでしょうか」
顔の一部分に視線を感じる。言い終えてからそっと口元のホクロを隠したけど遅かった。
そしてしばらくの沈黙。
ドクドクと激しく鼓動する胸の痛みに耐えながら、私はじっと俯いたまま身体を硬直させていた。
新谷は私に何かの用事があって会社(ここ)へ来たのだろう。どうして、私がここにいることが分かったの? 何かの理由で分かってここへ来たのだとしたら、いったい今更私に何の用事があって……?
頭の中をぐるぐると何度も同じ疑問が駆け巡る。
「……ここは?」
「医務室だよ」
呟いた言葉に思いもしなかった返事が返ってきて慌てて飛び起きた。
視線を感じてそろっと視線を横へと移すと、ベッド横の丸椅子に脚と腕を組んで座る人物が目に入る。
「真由子、しばらく見ない間にずいぶんと雰囲気が変わったね」
新谷だ。
あの頃と変わらない、涼しげな表情と何を考えているのか分からないガラス玉のような瞳でじっと私を見据えている。
ゴクリと息を飲み込みやっと出た言葉は。
「いえ、人違いなんじゃ……ないでしょうか」
顔の一部分に視線を感じる。言い終えてからそっと口元のホクロを隠したけど遅かった。
そしてしばらくの沈黙。
ドクドクと激しく鼓動する胸の痛みに耐えながら、私はじっと俯いたまま身体を硬直させていた。
新谷は私に何かの用事があって会社(ここ)へ来たのだろう。どうして、私がここにいることが分かったの? 何かの理由で分かってここへ来たのだとしたら、いったい今更私に何の用事があって……?
頭の中をぐるぐると何度も同じ疑問が駆け巡る。