相容れない二人の恋の行方は
「ねぇ、吉井さんと千智って元はどういう関係なの? ただの友達ではないよね」
「はい!?」
「だって。親同士が友人って、それ嘘でしょ? 子供の頃から一緒にいた私にはすぐに嘘だって分かったわ。あ、大丈夫よ。誰にも言わなかったわ」
「……それは」
「栄華に編入してきたあなたを守るための千智の嘘だってことは私はすぐに分かったの。ということは……編入前からの知り合いってこと? 千智に外の友達がいたなんて聞いたことがなくて……」
「えっと……」

 別に新谷をかばうつもりなんてないけど、新谷が荒れていたのはとおの昔のことだし、何も知らない木崎さんに今更言わない方がいい。そう判断した私は真実は口にはせず、どうごまかそうかと考える。でもそんなこともする必要もなく、ティーカップを持った木崎さんは「まぁいっか」と言ってにっこりと可愛らしく微笑むと話題を別のところに向けた。

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