相容れない二人の恋の行方は
 気付けば、私と新谷の間に長い沈黙が流れていた。
 沈黙を破ったのは新谷だった。

「……詳しい事情はよく分かんないけど。うわべだけを見て惚れても痛い目を見る……か。その通りだよ。ボクみたいに、中身サイアクな男もいるわけだし」
「自分で言いますか?」
「事実だからね」

 どんな顔をして言っているのだろう。いつもみたいに自分の言うことは絶対だといわんばかりの態度で胸張って言っているのだろうか。

「馬鹿だよ真由子は。どうして……」

 少し感情のこもったその声と同時にやっと顔を上げることが出来たけど、目が合う前にさっと逸らされてしまった。そして新谷は不機嫌そうにため息をつくと立ち上がり、私の横を通り過ぎる間際に一言。

「二度とボクの前から逃げるなよ」
「……はい?」

 突然の意味不明な発言に呆然としていると、パタンと背後で扉の閉まる音がした。振り向いた先には新谷の自室の扉。
 結局この日、それ以降新谷と顔を合わせることはなかった。

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