相容れない二人の恋の行方は
 夕方になって新谷と別れた私は一人、マンションではなく片付けがまだ途中の自宅へと向かった。
 昼間に新谷の口から出た弘毅さんのことが一瞬頭をよぎったけど、あれ以来一度も連絡もなく今日に限って連絡がくることもないだろうと高をくくっていた。

「はぁ……残りの荷物どうしようかなぁ」

 自宅につき黙々と片付け作業をする。
 まだ半年ほどしか住んでいない家にはあまり多くの荷物はなく片付けは割と早く済んだけど、家具などの大きな荷物は実家に送ろうかな。そう思い実家に電話をかけようとスマートフォンを手に取った時だった。スマートフォンが音を立てて鳴りだして、相手も確認せず慌てて電話に出てしまった。

「……あ、あなたは!!」

 電話口の相手の声を聞いて思わず声を張り上げてしまった。するとなぜか「もしかして今家?」と聞かれ呆然としていると少しして部屋のドアを叩く音がした。
 恐る恐る外に出てみると……

「あっやっぱり居た! ここ、結構壁薄いんだよね~」

 弘毅さんだった。どうやら、隣の部屋にいる私の声が聞こえてドアを叩いたらしい。半年間、今まで隣に誰も住んでいなかったから壁の薄さには気が付かなかった。
 何の用件だろう、そう問いかけようとするより前に弘毅さんが口を開いた。

「なぁ、今暇?」
「へ?」
「腹減らない? メシまだだろ? 一緒に行こう!」
「……へ?」

 返答する間もなく手を引かれ、玄関に置いていたバッグだけ手に取り鍵を閉め外へと連れ出された。

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