相容れない二人の恋の行方は
 そして二時間後。
 新谷はソファに座ったまま背伸びをした。

「んー……まぁまぁ、だったかな」
「……寝てましたよね、途中。しかも一番いいところで」

 何度見ても涙を流してしまう感動の場面。私はいつも通り目頭が熱くなったけど新谷がそばにいると思うと泣けなくて、ふと彼に目を向けたら……寝ていたのだ。

「アクションとかSFとか、もっと映像に迫力のある映画なら寝ないと思うんだけど」
「私別に……アクションやSFアドベンチャーも好きですよ」
「なんだよ。だったら先に言えよ」
「……す、すみません」

 なぜか責められる。納得がいかないんですけど……。それでもすぐに謝ってしまうのは私の悪い癖だ。積まれたDVDをよく見ると、私の好みに合った映画ジャンルのものばかりだ。

「観たいやつがあるなら、いいよ持って行って」
「……え、でも」
「いいって」
「いいんですか……?」

 気になっていたけどまだ観ることが出来ていない映画もあって、手に取ると無意識に頬が緩んでしまった。

「すみません。じゃあ……お借りします」

 座ったままテーブルの上にあるDVDを選別していると、新谷の「昼から暇?」という声に顔を上げた。

「昼からは……」
「朝は真由子の趣味に付き合ったんだから、昼からは付き合ってよ」
「……あの……付き合ったのは私の方では……?」
「え?」
「いえ、なんでもないです……」

 口答えをしてもどうせ無駄なんだ。あえてここはしつこく訂正することしないで、午後からの都合を伝えた。

「午後は……ちょっと予定があって」
「ふーん。珍しい」
「私にだって予定の一つくらい……」
「分かった。ならいい」
「……はぁ」
「なに?」
「いえ、別に……」

 なんだか調子狂うな、そんなことを思いながら私は数本のDVDを手に持ち立ち上がると「では失礼します」と言ってその場をあとにした。

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