相容れない二人の恋の行方は
午後からは自宅の片付けに来ていた。片付けと言っても前に来たときに一通り終わらせていたためやることはないのだけど、突然の弘毅さんの訪問と彼に連れ出されたためせっかくまとめた荷物がまだ自宅に置きっぱなしだったのだ。用事はそれともう一つ。
「これ、この間の……。ありがとうございました」
お金を入れた封筒を差し出した。差し出した相手は弘毅さんだ。
「ん? なにこれ」
「この間のラーメン代です」
あの日、マンションまでの帰りの電車賃しか持っていなかった私は弘毅さんにお金を借りていたのだ。
「え~、いいよ、それくらい。ははっ、真由子って真面目だよな~中身は変わってないな」
受け取ってもらえず差し出した封筒は行き場を失う。
「今日は別に金を回収するために真由子に連絡入れたわけじゃないんだけど?」
「私は……部屋の片づけとお金を返すために来たんです。受け取ってくれないと……困ります」
「わー、つれなーい」
弘毅さんは豪快にあぐらをかいて床に座りくくっと肩を揺らして笑った。
お金を受け取ってくれないと困るし、それよりなにより今のこの状況。弘毅さんが私の部屋に居る。気が落ち着かなかった。
「と、とにかく一旦外へ……」
「あーあ。こんなこと、昔もあったよな~」
「……はい?」
「高校ん時、街でめちゃくちゃ可愛い子を見かけてさ、生まれてはじめて一目ぼれしたんだよ。清楚でふわふわっとした柔らかな雰囲気が天使のようで……とにかく可愛かった。でもその天使との再会は悲しいものでさ。栄華の制服を来て、千智と仲良さそうに歩いてるじゃん?」
「……」
もしかして、弘毅さんの言う天使って木崎さんのことじゃ? すぐにピンときたけど、二人は恋人同士ではないみたいですよ、と今更伝える必要はないかなと思って口には出さなかった。
「いつもの俺だったら相手がいようが奪い取りに行ったんだろうけど……あまりに二人が似合いすぎてたし相手も千智だったから何も出来なかった。しばらくして千智が別の女、真由子を連れて歩くようになったけど、……ごめん。あの時の二人の関係はとても男女の仲には見えなかったと言うか……言ってみればご主人様と奴隷? だからあの天使と千智が別れたとは到底思えなくて……結局、何も出来なかったんだよ」
「は……はは……っ」
私から出たのは完全なる空笑い。私の立場って一体……というか、今の話に私を出す必要あった?
「これ、この間の……。ありがとうございました」
お金を入れた封筒を差し出した。差し出した相手は弘毅さんだ。
「ん? なにこれ」
「この間のラーメン代です」
あの日、マンションまでの帰りの電車賃しか持っていなかった私は弘毅さんにお金を借りていたのだ。
「え~、いいよ、それくらい。ははっ、真由子って真面目だよな~中身は変わってないな」
受け取ってもらえず差し出した封筒は行き場を失う。
「今日は別に金を回収するために真由子に連絡入れたわけじゃないんだけど?」
「私は……部屋の片づけとお金を返すために来たんです。受け取ってくれないと……困ります」
「わー、つれなーい」
弘毅さんは豪快にあぐらをかいて床に座りくくっと肩を揺らして笑った。
お金を受け取ってくれないと困るし、それよりなにより今のこの状況。弘毅さんが私の部屋に居る。気が落ち着かなかった。
「と、とにかく一旦外へ……」
「あーあ。こんなこと、昔もあったよな~」
「……はい?」
「高校ん時、街でめちゃくちゃ可愛い子を見かけてさ、生まれてはじめて一目ぼれしたんだよ。清楚でふわふわっとした柔らかな雰囲気が天使のようで……とにかく可愛かった。でもその天使との再会は悲しいものでさ。栄華の制服を来て、千智と仲良さそうに歩いてるじゃん?」
「……」
もしかして、弘毅さんの言う天使って木崎さんのことじゃ? すぐにピンときたけど、二人は恋人同士ではないみたいですよ、と今更伝える必要はないかなと思って口には出さなかった。
「いつもの俺だったら相手がいようが奪い取りに行ったんだろうけど……あまりに二人が似合いすぎてたし相手も千智だったから何も出来なかった。しばらくして千智が別の女、真由子を連れて歩くようになったけど、……ごめん。あの時の二人の関係はとても男女の仲には見えなかったと言うか……言ってみればご主人様と奴隷? だからあの天使と千智が別れたとは到底思えなくて……結局、何も出来なかったんだよ」
「は……はは……っ」
私から出たのは完全なる空笑い。私の立場って一体……というか、今の話に私を出す必要あった?