恐愛同級生
何とか今日一緒に帰れない理由を考えなくちゃ。
これからあたしは隣のクラスへ行くことになっている。
【放課後、スマホのことで少し話したいんだけどいいかな?終わったら行くから待っててくれる?】
【了解】
彼との約束を守る為には、翔と一緒に帰るわけにはいかない。
何とか適当な理由をつけて断らないと。
「翔、ごめんね。あたし、今日図書室に寄ってから帰ろうと思って」
「あー……そっか。じゃあ、俺も行くよ」
「えっ!?えっと、んー……あっ、違った。あたし、数学で全然分からない問題があって先生に聞こうと思ってたの。ホント、全然分からなくて困っちゃって」
同じことを二度繰り返すなんてあやしすぎるって分かってる。
口調もしどろもどろになり、目の下がひきつる。
あたしって……本当に嘘を吐くのが下手だ。