恐愛同級生
「ご、ごめんね!」

「どうした?なんか考え事?」

「あっ、うーん……。まあ、そんなところかなぁ?」

「何か心配事があるなら俺に話してよ?」

翔はそう言ってくれているけど、あたしの不注意で隣のクラスの男の子のスマホの液晶を割ってしまったなんてちょっと言いずらい。


見た目も性格もパーフェクトなだけじゃなく、勉強もできて運動もできてなんでも完璧にこなす翔。

翔とは不釣り合いだって自覚しているつもり。

いつもできるだけ翔に合わせようと背伸びしているけど、たまに大きなミスを犯してしまう。


「う、うん。ありがとう」


やっぱり翔には言わずにおこう。


ニコッと笑ってそう答えながら、頭の中で必死に考えを巡らす。
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