恐愛同級生
「しょうがなかったんだよ。元々の原因は俺と莉乃の仲を白石が邪魔したからだし。それに、莉乃のことをすごい顔で追いかけ回してただろ?だから、俺が……――」
「翔が……やったの?翔が好未を階段から突き落としたの……?」
「莉乃を守るためにはしょうがなかったんだよ。愛する人を守るためには多少の犠牲は仕方がないことだしね」
「あたしは……好未を突き落としてなんて頼んでないよ!!」
「莉乃、どうしてそんなに怒ってるんだよ。俺は莉乃の為に白石を……――」
「違う。それはあたしの為なんかじゃない。自分のため。全部全部、自分のため!!」
困ったように頭をかいてそっとこっちに手を伸ばそうとした翔の手をパッと振り払う。
「触らないで……!」
「莉乃……?」
「触らないでよ……!!あたし、もう全部聞いたんだから!!翔が元カノのことストーカーしてたとか全部聞いたの!!!」
そう叫んでよろよろと立ち上がると、翔もつられて立ち上がった。