復讐ストーカーゲーム2
「ママは独身なんでしょう? 好きな人はいないの?」


「いないわよ。前の旦那が亡くなってから、そんな気になれないの……このお店の名前を付けたのも旦那なのよ?」


ママはリボン型に結った蝶柄の黄色い帯を、こちら側に見せながら、フライパンを返していた。


「それじゃあ旦那さん、三国志ファンでしょう? 私はこの看板が気に入ってるのもあってここに来ているのよ?」


肉の焼ける香ばしい匂いとソースのフルーティーな香りが室内に広がった。


「あら、酷いわねぇ! 看板名だけなんて! そうよ。元旦那さんはこの名前がやたらお気に入りなの。仕方なく私も分厚い小説を読んだものよ?」


「ふぅーん……じゃあ知ってるよね? 張飛って人物」
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