たったひとりの君にだけ
だから私は気付かぬ振りをした。
「別に」
「そんな無意味な行動を繰り返すくらいなら、俺にしとけって言ってんだよ。互いに汚い部分を知ってる奴と一緒になった方がいいだろ。曝け出せてる、俺の方が」
一理ある。
だなんて一瞬たりとも思わないのは。
あなたは私のなんなんだって。
面と向かって汚いなんて言われて。
一体、誰が喜ぶと思ってるの。
持ち前の、自分勝手な理論は酷く間違っている。
あなたは何もわかってない。
「……曝け出してるって、どうして言えるの?」
止まらない言葉。
「私の何を知ってるの?」
だけど、わかってほしいとも思わない。
鋭く睨む視線に気付かないとは言わせない。
偉そうな口、利かないで。