たったひとりの君にだけ

だから私は気付かぬ振りをした。


「別に」

「そんな無意味な行動を繰り返すくらいなら、俺にしとけって言ってんだよ。互いに汚い部分を知ってる奴と一緒になった方がいいだろ。曝け出せてる、俺の方が」


一理ある。

だなんて一瞬たりとも思わないのは。


あなたは私のなんなんだって。


面と向かって汚いなんて言われて。
一体、誰が喜ぶと思ってるの。

持ち前の、自分勝手な理論は酷く間違っている。


あなたは何もわかってない。




「……曝け出してるって、どうして言えるの?」




止まらない言葉。





「私の何を知ってるの?」





だけど、わかってほしいとも思わない。

鋭く睨む視線に気付かないとは言わせない。


偉そうな口、利かないで。
< 211 / 400 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop