Under The Darkness





「……せやね。アンタと栞ちゃんだけやもんね。そばにずっと変わらずにおってくれんの」


『離れる言うても、オレは離れたらへんで! ずっと一緒やねんから』


 力強い言葉に、私はふふっと笑う。


「せや。親友やもんな。ずっと一緒や」


 私の言葉に、悠宇、泣き声のまま子供のようにしゃくりあげながら、


『……でもな、最後はダンナ様に昇格させたってくれんかな?』


 なんて、笑みを含む甘えた口調で、けれどグズグズな泣き声で冗談を言ってくる。

 辛いことも辛いままでは終わらせない、明るい笑いに変えてしまう、そういうところはさすが大阪人だと私は声を立てて笑った。


「あかんわ。私が嫁もらう予定やから」


『ほんなら! オレが嫁んなったるしな』


「図体デカい嫁はいらん」


 いつもの調子に戻してくれる悠宇に感謝した。

 私は嬉しくなりながら、いつも通りの答えを返す。


『女装したってもええしな、』


 ブツッ。


 え?

 いきなり電話が切れてしまった。

 受話器を持ったまま呆然としてしまう。

 ふと背後にいたはずの京介君が、真横で電話のコンセントを手にしているのを見て、ハッとした。

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