この恋、国家機密なんですか!?
そんなことしたら、宗一郎さんの命が危ない。
彼だって、そんなことはわかりきっているはずなのに……。
すっと出された手には、警察手帳。
それをテロリストたちに見せつけ、彼は聞いたこともないような、大きな声で名乗る。
「警察庁公安課警視・篠田宗一郎。お前たちの仲間の仇だ」
言っちゃった……。
10人くらいいるテロリストたちが、どよめく。
「……標的の顔くらい、ちゃんと認識しておくべきだと思うがな」
宗一郎さんは、名乗るまで彼が誰だか気づかなかったテロリストたちを、呆れた顔で見下す。
「お前っ、どうしてここに……」
代表が驚きと怒りが入り混じった表情で、宗一郎さんをにらむ。
その視線にぞっとした私とは反対に、彼は涼しい顔で返す。
「ずっとお前たちの動きを追っていたんだ。独自にな。だから先回りしてきた」
「な……っ」
えっ、そうだったの!?だから、すぐ避難しろってメールをくれたわけ?
じゃあ、一緒にいた女の子はいったい?
頭の中で色々考えている途中で、宗一郎さんは一歩前に出た。
「彼女を含め、人質を全員解放しろ。俺なら、警視総監の代わりにはなるだろう」