この恋、国家機密なんですか!?
「うまくいったから良かったものの……もし麻耶に怪我でもあったら、俺は篠田を撃ち殺していましたよ。今後、うちの嫁の貸出しはいっさいお断りすると、篠田に言っておいてくださいね」
高浜さんはくろーい笑顔で、私にプレッシャーをかける。
「は、はい」
私は何度もうなずく。
人の奥さんを勝手に連れ出した上に怪我までさせたら、そりゃあ殺されるよね。
ほんとに、麻耶ちゃんが無事でよかったよ。いろんな意味で。
「では……俺たちはそろそろ」
高浜さんが、怪我をしていないほうの手で麻耶ちゃんの手を引き、会釈をして歩き出す。
なんだよ……ラブラブ夫婦め。いいなあ。
そのまま見送ろうとすると、麻耶ちゃんがこっちを振り向いた。
そして高浜さんの手をふりほどくと、とことことこちらへ戻ってくる。
とても真剣な顔で。
「あの、唯さん」
「はいっ?」
「警察官の妻って、いつも心配が絶えないんです。いつもお仕事の日に見送ったあと、怖くて泣きそうになります。もう帰ってきてくれなかったら、どうしようって」
……そういえば、避難所であったご婦人もそんなようなこと言ってたな。