この恋、国家機密なんですか!?


腹が立つのに、胸はドキドキと速い鼓動を打つ。

声を出さないように、私は宗一郎さんの肩に噛みついた。


「そんなに我慢しなくても、ここは防音がしてあるはずだが?」


宗一郎さんが楽しそうに言う。

たしかに、この部屋を借りるときにそんな感じのことは言われた気がするけど、でも多少の物音はやっぱり聞こえてくるし、壁じゃなくてドアだけだし!

もおぉぉ、お隣さんだか誰だかわからないけど、お願いだから早く帰って!


……1秒が1分にも感じられた。

手錠をされているから宗一郎さんにつかまれなくて、震える足でなんとか立つ。

やがて、足音が遠くに去っていった。


「はぁ……」


ホッとしたら、体が崩れ落ちそうになった。

ため息をついたと同時に、宗一郎さんが笑う。


「よくがんばりました」


その言葉で解放されるのかと思ったら、宗一郎さんは私の体を立ったままの姿勢で支える。

やっと欲しがっていたキスが与えられて、夢中で舌を絡ませた。

そのあとのことは……恥ずかしすぎて、もう覚えていないことにしようと思う。








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