この恋、国家機密なんですか!?
「……やっとのんびりできたな……」
少しかすれたようなハスキーボイスが、湯気と共に天に昇っていく。
「お仕事、大変なの?」
聞くと、宗一郎さんは苦笑した。
「暇なら、もっとお前のことをいじめに行ってるよ」
濡れた手で頭をなでるから、水滴が顔に落ちてきた。
「もう」
それを自分の手でぬぐっていると、宗一郎さんの小さな声が聞こえた。
「警察なんか、本当は暇な方がいいんだがな。俺が飛び回っているってことは、この国が平和じゃないって証拠だ」
「……そう、なの?」
宗一郎さんの仕事の内容を詳しく知らない私は、なんとも言えない。
けれど、彼が冗談を言っているような様子はなかった。
もしかして……彼は、人には簡単に言えないような、大きな敵と戦っているのかな。
私には、想像もつかないような相手と……。
「唯が気にすることじゃない」
宗一郎さんはふわりと笑い、小さく息をつく。
その瞬間、私の胸に小さな違和感が芽生えた。
彼は……こんなに普通に、笑うひとだっけ?
いつも、口の片端だけを上げてにやり。
それが、あなたの笑い方だったでしょう?