この恋、国家機密なんですか!?


お風呂から上がると、私はスキンケアのために、洗面台に向き合った。

きっと、一度抱き合えば安心して、うきうきモードに戻れるはず。

さて、今日は何で縛られるのかしら……。

そんなふしだらな想像をしながら、顔の手入れが終ると、次はボディクリームを体中に塗り込む。

あとでお風呂に入ることになっても、がさがさお肌のままお布団に入ることはできない。

そうして念入りにお手入れした後、ドキドキしながら寝室に入ると……。


「えっ?」


ウソでしょ。

私は目を見開いた。

そこでは、ちゃんと二組敷かれたお布団の一つの上で、宗一郎さんが寝息を立てていた。

メガネをして文庫本を読んでいたみたい。


「あらら……」


疲れているだろうなとは思っていたけど、こんな気張ったお部屋で、初めてのお泊まりで、まさか一人で寝てしまうなんて……。


「しょうがないよね……」


少しがっかりしてしまう私は、自分勝手で、やっぱりふしだらだ。

曲がってしまいそうなメガネをそっととって、サイドテーブルの上に置く。

放り出されていた文庫を、ほんの興味で、1ページ開く。


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