この恋、国家機密なんですか!?
「……日本の国防について……」
な、なんて難しそうな本を読んでいらっしゃるの。さすが警察官……。
私はそれを静かに閉じると、メガネの隣に置いた。
そして、浴衣姿の宗一郎さんに布団をかける。
無防備な寝顔は、いつもの大悪党からは、想像がつかないほど安らかだった。
すうすうと規則的な寝息を聞いていたら、こちらまで眠くなってきた。
私はそっと、その額をなでる。
きっと、安心してくれてるんだよね。
私に心を開いているから、無防備になってくれるんだよね……?
「おやすみなさい、宗一郎さん」
思えば、寝顔を見ること自体が初めてかもしれない。
私はいつも、宗一郎さんと行為を終えたあと、先に寝付いてしまうから。
そっと額に口づけて、顔を離す。
……さて、どうしよう。
私の中で、悪魔が囁く。
『荷物、探っちゃえば?』と……。
視線を移すと、部屋の片隅に、宿泊者用の小さな金庫が見えた。
「……私も、お財布入れておこうかしらん……」
と、誰も聞いていないのに言い訳をしながら、私はそこへ忍び足で近づく。