愛を知る小鳥
「あかねさん、先日は色々とありがとうございました」
潤のいなくなった二人きりの秘書室で、美羽は深々と頭を下げた。
週末の間、ずっと気になっていたことを彼から聞かされていた。それはあの日あかねが駆けつけて自分の世話を献身的にしてくれたということだ。潤は自分がやってもよかったが、同性の方が後々私が気にしないで済むと配慮してくれたようだ。そして深夜に近かったにもかかわらず、すぐに駆けつけてくれたことも。
「やめて、美羽ちゃん! 専務から連絡が来たときは確かに驚いたけど、私嬉しかったのよ。何か一つでもあなたのお手伝いができたことが」
「あかねさん…本当にありがとうございます」
あらためてお礼を言った美羽は泣き笑いの顔だった。
「と・こ・ろ・で! 美羽ちゃん♪」
「な、なんですか…?」
つい今しがたまで感動的な空気に包まれていたというのに、既にあかねは先程の魔女のような微笑に切り替わっている。
…なんだか嫌な予感がする。
「さっき専務がわざわざこっちに来たってことは、一緒に出社したってことよね?」
やはり…
「う、は、はい…」
「やっぱり! ということはついに専務が目覚めたのね! ついに…!」
目をキラキラと輝かせて一人の世界に浸っているあかねに、もはや美羽は何のリアクションもとることができない。そこに成田が挨拶をしながら入って来た。
「美羽ちゃん、今日お昼一緒に出ましょう? またその時にゆっくり…ね?」
意気揚々と自分のデスクに戻っていくあかねの後ろ姿を見ながら、美羽はこの後どんな地獄が待ち構えているのかと武者震いした。
潤のいなくなった二人きりの秘書室で、美羽は深々と頭を下げた。
週末の間、ずっと気になっていたことを彼から聞かされていた。それはあの日あかねが駆けつけて自分の世話を献身的にしてくれたということだ。潤は自分がやってもよかったが、同性の方が後々私が気にしないで済むと配慮してくれたようだ。そして深夜に近かったにもかかわらず、すぐに駆けつけてくれたことも。
「やめて、美羽ちゃん! 専務から連絡が来たときは確かに驚いたけど、私嬉しかったのよ。何か一つでもあなたのお手伝いができたことが」
「あかねさん…本当にありがとうございます」
あらためてお礼を言った美羽は泣き笑いの顔だった。
「と・こ・ろ・で! 美羽ちゃん♪」
「な、なんですか…?」
つい今しがたまで感動的な空気に包まれていたというのに、既にあかねは先程の魔女のような微笑に切り替わっている。
…なんだか嫌な予感がする。
「さっき専務がわざわざこっちに来たってことは、一緒に出社したってことよね?」
やはり…
「う、は、はい…」
「やっぱり! ということはついに専務が目覚めたのね! ついに…!」
目をキラキラと輝かせて一人の世界に浸っているあかねに、もはや美羽は何のリアクションもとることができない。そこに成田が挨拶をしながら入って来た。
「美羽ちゃん、今日お昼一緒に出ましょう? またその時にゆっくり…ね?」
意気揚々と自分のデスクに戻っていくあかねの後ろ姿を見ながら、美羽はこの後どんな地獄が待ち構えているのかと武者震いした。