愛を知る小鳥
「えっ…一緒に住むことにした?!」
お昼に入った会社近くのカフェで、あかねの手に握られていたフォークの先からポロリとハンバーグがこぼれ落ちた。美羽は恥ずかしそうに気まずそうに、俯きがちに顔を赤らめている。
「す、凄いわ専務…。本気になったら熱そう人だとは思ってたけど、そこまでの肉食だったとは」
「ちっ、違うんです! あくまでも私の安全を考えて提案してくれたことで…私も迷ったんですけど、やっぱり今一人でいるのは不安で…だから」
「でもそれだけじゃないでしょう?」
「えっ」
「もちろんあなたを守りたいのが一番の理由だと思う。でも彼はそれだけのために誰かと、ましてや部下で異性でもあるあなたと一緒に住むことなんてしないわよ」
美羽はグッと言葉に詰まってしまう。
「専務の気持ちはもう知ってるんでしょう?」
「…はい」
「それで? 美羽ちゃんはどうしたいの?」
俯いたままの美羽はそのまま自信なさげに呟いた。
「専務の気持ちはとてもありがたいですし、嬉しい…って思う気持ちもあります。でも…自分でどうしたらいいのかわからないんです。専務の優しさに甘えて、そのまま自分を見失ってしまったらどうしよう、いつか彼が変わってしまったらどうしようって…怖くて怖くて堪らないんです」
「怖い…か。でもそんなの皆一緒じゃないのかしら?」
反射的に顔を上げると、あかねは優しい顔で微笑んでいる。
「誰にだって不安に思うことはあるし、失うことへの恐怖はあるものよ。私は美羽ちゃんの過去に何があったのか知らないし、あなたがそこまで臆病になるのにも理由があるのだと思う。でも、怖がってばかりじゃ何も変わらないのよ? 私は美羽ちゃんが大好きだから、大切だから幸せになってほしいと思ってる。でもそれは私が願ったところで叶えられるものじゃない。あなたが自分から幸せになりたいって思わない限り手にすることはできないのよ」
「……」
あかねの言葉は潤の言っていたことと全く同じだった。
未来を手にしたいのなら自分が切り拓くしかない…
「彼はあなたに優しくしてくれるんでしょう?」
「…はい。とても」
「それなら今あなたの目の前にいる彼を信じればいいんじゃないのかな」
優しく微笑むと、さぁ食べましょう! と再び料理を口にし始めた。
美羽の心の中には潤とあかねの言葉がいつまでも響いていた。
お昼に入った会社近くのカフェで、あかねの手に握られていたフォークの先からポロリとハンバーグがこぼれ落ちた。美羽は恥ずかしそうに気まずそうに、俯きがちに顔を赤らめている。
「す、凄いわ専務…。本気になったら熱そう人だとは思ってたけど、そこまでの肉食だったとは」
「ちっ、違うんです! あくまでも私の安全を考えて提案してくれたことで…私も迷ったんですけど、やっぱり今一人でいるのは不安で…だから」
「でもそれだけじゃないでしょう?」
「えっ」
「もちろんあなたを守りたいのが一番の理由だと思う。でも彼はそれだけのために誰かと、ましてや部下で異性でもあるあなたと一緒に住むことなんてしないわよ」
美羽はグッと言葉に詰まってしまう。
「専務の気持ちはもう知ってるんでしょう?」
「…はい」
「それで? 美羽ちゃんはどうしたいの?」
俯いたままの美羽はそのまま自信なさげに呟いた。
「専務の気持ちはとてもありがたいですし、嬉しい…って思う気持ちもあります。でも…自分でどうしたらいいのかわからないんです。専務の優しさに甘えて、そのまま自分を見失ってしまったらどうしよう、いつか彼が変わってしまったらどうしようって…怖くて怖くて堪らないんです」
「怖い…か。でもそんなの皆一緒じゃないのかしら?」
反射的に顔を上げると、あかねは優しい顔で微笑んでいる。
「誰にだって不安に思うことはあるし、失うことへの恐怖はあるものよ。私は美羽ちゃんの過去に何があったのか知らないし、あなたがそこまで臆病になるのにも理由があるのだと思う。でも、怖がってばかりじゃ何も変わらないのよ? 私は美羽ちゃんが大好きだから、大切だから幸せになってほしいと思ってる。でもそれは私が願ったところで叶えられるものじゃない。あなたが自分から幸せになりたいって思わない限り手にすることはできないのよ」
「……」
あかねの言葉は潤の言っていたことと全く同じだった。
未来を手にしたいのなら自分が切り拓くしかない…
「彼はあなたに優しくしてくれるんでしょう?」
「…はい。とても」
「それなら今あなたの目の前にいる彼を信じればいいんじゃないのかな」
優しく微笑むと、さぁ食べましょう! と再び料理を口にし始めた。
美羽の心の中には潤とあかねの言葉がいつまでも響いていた。