愛を知る小鳥
「…どうしても?」

「…本当にごめんなさい…」

部屋の空気がどんどん重いものに変わっていく。

「…聞きたいんだけどさ、美羽ちゃんは今までどういうつもりだったの?」

「どういうって…?」

思ってもみないことを聞かれて意味がわからない。

「あれだけ俺と一緒にいてさ。俺に頼りっきりだったじゃん。普通俺に気があるからだって思うでしょ」

「それは…」

確かに彼の言うとおり色々と頼ってしまっていた。進路の相談に乗ってもらったり、時々勉強を教えてもらったり。これまで誰かに頼るということを知らなかった美羽にとって、彼は初めての良き理解者となっていたのだが、それは行きすぎた行為だったのだろうか。異性として見ていないのに助けてもらうことはしてはいけないことだったのだろうか。美羽にとっては全てがわからないことばかりだった。

「すみません、本当に…」

俯いてひたすら謝ることしかできない美羽の姿に園田のイライラが募ってくる。

「自慢じゃないけど俺って今まで振られたことなんてないんだよね。美羽ちゃんって結構小悪魔? ひどいなぁ、あんなに君のために尽くしたのに…」

「……」

もはや返す言葉も見つからなかった。
彼は今日何をしにここまで来たのだろうか? 母の位牌に手を合わせに来てくれたのではないのか。それはついででこちらが本当の目的だったのだろうか。でももうずっと前に答えを出したはずのことを今更どうしろと言うのだろうか。
母が亡くなってほんの数日。まだ完全に気持ちの整理がついていない頭の中で様々な思いが巡る。

「ねぇ、聞いてる?」

「…あっ、すみません…」

上の空だった美羽の態度に園田は明らかに不愉快そうな顔をした。
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