愛を知る小鳥



一瞬だったのか長い時間だったのか。
どのくらいそうしていただろうか…?



ズキズキと痛む頭が徐々に覚醒してくると、少しずつ自分が今置かれている状況が見えてくる。身につけていた服は乱暴に首まで押し上げられ、胸元にひんやりとした空気が触れるのを感じる。スカートは履いているが下着の感触は感じられない。
ぼんやりとする頭でそれらを認識していると、カチャカチャと音が聞こえてきた。動かない頭の代わりに目だけでその音を辿ると、園田が息を切らしながらベルトのバックルに手をかけているのが見えた。性急な動きでそれらを外していく。

その瞬間美羽は我に返る。
このままでは本当にやられてしまう…
そんなことになるくらいなら死んだ方がマシだ…!!

必死で手を伸ばして辺りを伺う。そうこうしているうちに全ての衣服を剥ぎ落とした園田が興奮した面持ちで笑いながら覆い被さってきた。もはや美羽の意識が戻っていることすらわかっていないようだった。

「はぁはぁ、天国見せてやっからよ…!」

そう言って美羽の体に異物をあてがった。




嫌だ、嫌だ、嫌だっ!!! 助けて、お母さん…!!!!




涙を溜めて絶望に震える美羽の手に何かが触れた。何かはわからない。だが美羽はそれを掴むと思い切り園田の頭目がけて振り下ろした。直後ガツッと鈍い音が部屋に響き渡る。

「ぐあっ!!」

思いもかけない一撃に園田はその場に倒れ込むと、頭を押さえながら鬼のような形相で美羽を睨みつけた。

「てめぇ…! 許さねぇぞ!!」

じりじりと間を詰める園田にもう一度手を振り下ろす。

「うあ゛ぁっ!」

今度こそ完全に膝をついてその場にうずくまるのを確認すると、乱れた衣類を押さえながら着の身着のまま部屋から飛び出した。
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