愛を知る小鳥
「やっと会えたね。美羽ちゃん、会いたかったよ」
ごゆっくり、と満足そうな顔で薫が出ていった部屋に、二人の人間が取り残された。一人は満面の笑みを浮かべ、一人はこの世の終わりかと思うほど絶望に満ちた顔をしている。
「ど、して…」
「あぁ、彼女? 彼女とは昔からちょっとした知り合いでね。『仲良く』させてもらってる仲なんだ。色々話してたら美羽ちゃんのこと知ってるって言うものだから。ちょっと協力してもらったんだ」
ニコニコと笑いながら一歩、一歩、着実に近づいてくる。
「美羽ちゃんアパート引っ越したんだね? ひどいじゃないか、何も言わずに勝手にいなくなるなんて」
ガクガクと足が震える。
逃げなければ。そう思うのに恐怖で思うように動けない。
「でもまぁいいよ。こうやって二人きりでやっと会えたからね。今日こそゆっくり『話』しようね?」
もう少しで手の届く距離になるところでようやく我を取り戻し、弾かれるように美羽は扉へ向けて駆けだした。だがそれを予想していた園田はいとも簡単にその腕を捉える。
「嫌っ! 離してっ!!」
「なんでそんなに逃げるの? 僕はただ君と話がしたいだけなのに」
「嫌っ…あっ!」
激しく身を捩る美羽の腕を強引に引っ張ると、そのままソファの方へ投げ飛ばした。美羽の体は激しく倒れ込み、その瞬間、いつかの光景が恐ろしいほどフラッシュバックする。
「あ…ぁ…」
「そんなに怖がらないでよ。僕はいつだって君に優しくしてあげたいのに。君がそうやって我儘を言うから悪いんだよ?」
ゆっくりゆっくりソファーへと近づいてくる。
「誰か…助けて…」
「誰も来ないよ。ずっと二人きりだよ。安心して?」
蚊の鳴くような悲痛な声に悪魔はニッコリと恐ろしいほどの顔で笑った。
ごゆっくり、と満足そうな顔で薫が出ていった部屋に、二人の人間が取り残された。一人は満面の笑みを浮かべ、一人はこの世の終わりかと思うほど絶望に満ちた顔をしている。
「ど、して…」
「あぁ、彼女? 彼女とは昔からちょっとした知り合いでね。『仲良く』させてもらってる仲なんだ。色々話してたら美羽ちゃんのこと知ってるって言うものだから。ちょっと協力してもらったんだ」
ニコニコと笑いながら一歩、一歩、着実に近づいてくる。
「美羽ちゃんアパート引っ越したんだね? ひどいじゃないか、何も言わずに勝手にいなくなるなんて」
ガクガクと足が震える。
逃げなければ。そう思うのに恐怖で思うように動けない。
「でもまぁいいよ。こうやって二人きりでやっと会えたからね。今日こそゆっくり『話』しようね?」
もう少しで手の届く距離になるところでようやく我を取り戻し、弾かれるように美羽は扉へ向けて駆けだした。だがそれを予想していた園田はいとも簡単にその腕を捉える。
「嫌っ! 離してっ!!」
「なんでそんなに逃げるの? 僕はただ君と話がしたいだけなのに」
「嫌っ…あっ!」
激しく身を捩る美羽の腕を強引に引っ張ると、そのままソファの方へ投げ飛ばした。美羽の体は激しく倒れ込み、その瞬間、いつかの光景が恐ろしいほどフラッシュバックする。
「あ…ぁ…」
「そんなに怖がらないでよ。僕はいつだって君に優しくしてあげたいのに。君がそうやって我儘を言うから悪いんだよ?」
ゆっくりゆっくりソファーへと近づいてくる。
「誰か…助けて…」
「誰も来ないよ。ずっと二人きりだよ。安心して?」
蚊の鳴くような悲痛な声に悪魔はニッコリと恐ろしいほどの顔で笑った。