愛を知る小鳥
その日、美羽は熱にうなされていた。
部屋で安静にと言われたが、ちゃんと休むからどうか潤の傍にいさせてほしいと拝み倒し、いつもと同じように補助ベッドで横になっていた。いつもなら彼に何度も声をかけるのだが、今日は体が重く思うようにいかなかった。頭痛と体の倦怠感と必死に闘いながら、気が付けばいつの間にか眠りに落ちていた。


苦しいよ…
痛いよ…
重いよ…
寒いよ…

助けて、助けて……


真っ暗闇の中、美羽は必死でもがいていた。



『 …う……みう… 』

……潤さん…? どこ…?

『 美羽…こっちにおいで… 』

潤さんっ…?! どこにいるの?

『 美羽…もう大丈夫だよ… 』





「_______潤さんっ!!」

ガバッと飛び起きたが、突然動いたことと熱のせいで体がぐらりと揺れる。慌ててベッドの縁に手を置いて辛うじて落下を免れた。

「…夢…」

気怠い体はびっしょりと汗をかいている。額の汗を拭うと、いつものように潤の方へと顔を向けた。

「潤さん、また夢を見ました。早く目を覚ましてくださいね」

体に染みついたようにお決まりの言葉を話しかける。

「…………ぅ…」

その時、微かな声が部屋に響いたような気がした。

「…潤さん…?」

「……ぅ……み、う…」

「___潤さんっ?!」
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