愛を知る小鳥
美羽は体がふらつくこともお構いなしにベッドから飛び降りた。そのまま潤の眠る場所まで一目散に駆けていくと、横になる彼の顔を覗き込んだ。
____そこで大きな黒い瞳が自分を捉えていた。

「……美羽…ただいま…」

「じ…じゅんさっ…!!」


…どうしたんだろう。
しっかり目を開けているはずなのにどんどん彼が見えなくなる。
ちゃんと彼をこの目に納めたいのに、視界は歪んでいくばかりだ。


「美羽…ごめんな…」


そう言ってゆっくり伸びてきた大きな手を震える手で掴むと、美羽は自分の胸に閉じ込めるようにきつく握りしめた。

「潤さん、潤さん、潤さんっ…!!」

「美羽…もう離さない…」

手のひらにしがみついて子どものように泣きわめく美羽を、潤は穏やかに微笑みながら優しく撫で続けた。


カーテンの隙間から差し込む光が、二人を温かく照らしていた。
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