愛を知る小鳥
「それじゃあ行ってくるから。いい子にしてるんだぞ」
そう言って頭をポンポンと撫でると、チュッと触れ合うだけのキスをした。
週末を家でゆっくり過ごした週明け、予定通り潤は仕事へ復帰する。
潤が復帰できるのに自分だけ休むことはできないと美羽は訴えたが、アザが消えるまでは駄目だと強く言われてしまった。頬の痛みは随分引いたが、まだアザがはっきりと残っている。両頬にあるため人が見たら何事かと驚いてしまうだろう。
潤が仕事復帰させないのは美羽のためだ。このアザを見てあることないこと噂を立てられて美羽が傷つかないようにするため。自分が休むことで仕事が増えることになろうとも、彼は守ろうとしてくれている。
夕べ事件後初めて肌を見られた。胸元に残る痛々しい傷跡を見て、彼は今にも泣きそうな顔で何度も謝っていた。自分のせいでこうなってしまったと。そんなことはないのに。むしろ巻き込んでしまったのは自分の方だ。謝らなければならないのはこちらなのに。
今回のことに責任を感じて胸を痛める潤を見る度に、美羽もやり場のない心苦しさを感じていた。
「本当に無理はされないでくださいね…」
「大丈夫だよ。信じろ。じゃあいってきます」
「…いってらっしゃい」
名残惜しそうにもう一度キスを落とすと、潤は専務の顔に変わり出ていった。
彼の出ていったガランとした部屋。
一緒に住み始めて一人で過ごすのはこれが初めてのことだった。
一人には広すぎるこの空間は、美羽が様々なことを考えてしまうには充分過ぎるものだった。
そう言って頭をポンポンと撫でると、チュッと触れ合うだけのキスをした。
週末を家でゆっくり過ごした週明け、予定通り潤は仕事へ復帰する。
潤が復帰できるのに自分だけ休むことはできないと美羽は訴えたが、アザが消えるまでは駄目だと強く言われてしまった。頬の痛みは随分引いたが、まだアザがはっきりと残っている。両頬にあるため人が見たら何事かと驚いてしまうだろう。
潤が仕事復帰させないのは美羽のためだ。このアザを見てあることないこと噂を立てられて美羽が傷つかないようにするため。自分が休むことで仕事が増えることになろうとも、彼は守ろうとしてくれている。
夕べ事件後初めて肌を見られた。胸元に残る痛々しい傷跡を見て、彼は今にも泣きそうな顔で何度も謝っていた。自分のせいでこうなってしまったと。そんなことはないのに。むしろ巻き込んでしまったのは自分の方だ。謝らなければならないのはこちらなのに。
今回のことに責任を感じて胸を痛める潤を見る度に、美羽もやり場のない心苦しさを感じていた。
「本当に無理はされないでくださいね…」
「大丈夫だよ。信じろ。じゃあいってきます」
「…いってらっしゃい」
名残惜しそうにもう一度キスを落とすと、潤は専務の顔に変わり出ていった。
彼の出ていったガランとした部屋。
一緒に住み始めて一人で過ごすのはこれが初めてのことだった。
一人には広すぎるこの空間は、美羽が様々なことを考えてしまうには充分過ぎるものだった。