愛を知る小鳥
「じゃあ明日から家を頼むな」

「はい」

潤が出張に行く前の夜、いつものように二人寄り添ってベッドに入った。すぐに美羽の体を引き寄せるのももうすっかり日課になっていることだ。美羽は胸の中で何度も何度も息を吸い込む。

「…明日からの分を充電しておかないとな」

「え? んっ…!」

意味がわからず仰ぎ見た瞬間、彼が覆い被さってきた。最初から舌が侵入してきて美羽の中を掻き回す。いつもより性急な気がするが、そんなことを考える余裕などあっという間になくなってしまった。
潤は激しく口内を侵しながら手を伸ばすと、美羽のパジャマのボタンを一つずつ外し始めた。全て外し終えると次は背中に手を回し、一瞬のうちに器用にホックを外してしまった。やはり今夜の彼はいつもと少し違う。

「じ、潤さん…? あっ!」

美羽の言葉など気に留めることもなく、露わになった肌に唇を落とす。ビクビクと反応を示すのがたまらず、手と舌を使ってこれでもかと刺激を与え続けていく。

「あぁっ…じゅんさ…あっ…!」

これまで何度も愛されてきたが、今日はそのいずれとも違う。
激しいだけじゃない、何かを感じる。
…けれど、敢えて今日はこのまま流されてしまおう。
そう決めると同時に体の力がスーッと抜けていく。


彼とこうして愛し合えるのもこれが最後だから…

だから、このまま____


だがそんな心とは裏腹に、何故か潤はピタリと愛撫をやめてしまった。急な喪失感に戸惑う美羽をよそに、彼は脱がせた衣類を一つずつ元に戻していく。
ついさっきまであれだけ激しかったのに急に何故…?
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