愛を知る小鳥
顔を覆って悶絶する姿をひとしきり楽しむと、潤は美羽の体を引き寄せてぎゅうっと抱きしめた。

「じっ、潤さん…?」

起きたときよりも体が密着し、唇が彼の胸に直にあたって心臓があり得ないほど暴れ回る。

「体、大丈夫か?」

「…え?」

予想に反して降ってきたのは驚くほど優しい声。

「…はい、大丈夫です」

「本当か? どこもつらくないか? 結構無理させたから…」

今度は肩を掴んでガバッと顔を覗き込まれ、離れた拍子にあらぬ所まで見えそうになって慌てて視線を逸らした。

「ほ、ほんとに大丈夫です! 少し違和感は…ありますけど、でも大丈夫ですから!」

恥ずかしそうに必死で答える美羽を見てホッとすると、再び腕の中に閉じ込めた。

「よかった…本当はもっとゆっくりするつもりだったのに、あんまりお前が可愛いこと言うから歯止めが効かなくなって…悪かった」

「そ、そんなっ、謝らないでください! 潤さんはすごく…優しかったです…」

言いながら顔がカーッと熱くなるのがわかる。
彼はお仕置きだなんて言ってたけれど、全くそんなことはなかった。凄く凄く、優しかった。きっと、トラウマの残る自分を気遣って人一倍優しくしてくれたに違いない。たくさんの言葉とキスと、愛をくれた。
…とても幸せな時間だった。

「…そっか。じゃあ次はもっと激しくやってもいいってことだな?」

「えぇっ?!」

とんでも発言に驚愕すると、したり顔で笑っている潤と目が合った。
…からかわれた!

「もうっ、潤さんっ!!」

「はははっ」

力の入らない体で胸をポカポカ叩く。
___その時、ふとあるものに気が付いた。

「………え…?」
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