愛を知る小鳥
当然のようにその大きな手は潤のもので。
いつから見られていたのだろう。
彼もまた真剣な眼差しでじっとこちらを見つめていた。
「…潤さん…?」
あまりにも真っ直ぐこちらを射貫いているものだから、なんだかそわそわと心が落ち着かなくなってしまう。
いくつになっても変わることなく、いや、年齢を重ねてより一層渋みを増した彼は、自惚れなどではなく、世界一素敵な旦那様だと胸を張って言える。
そんな彼に一心に見つめられては、ドキドキするなと言うのが無理な話だ。
「美羽、ありがとう」
「…え?」
ほんのり頬を染めながら視線を泳がせていた美羽に届いたのは、思いも寄らない一言で。
「俺と出会ってくれて、俺の妻でいてくれて、俺に家族を与えてくれて、俺に幸せを実感させてくれて、…ありがとう」
「…潤さん…」
ふわりと微笑みながらかけられた言葉に、一瞬にして目の奥が熱くなる。