愛を知る小鳥


バタンと扉が閉まる音が響くのと同時に抱きしめ合う。

隙間なく触れ合った場所からトクトクと聞こえてくる音が心地よかった。

「…良かったのか?」

「…え…?」

落ちてきた問いに、美羽が顔だけ上に向ける。

「せっかくの記念日なんだから、あのままホテルに泊まってもよかったんだぞ?」


そう。潤は最初、ディナーの後はそのままスイートルームで一晩過ごすつもりでいた。
だが、それを拒否したのは美羽だ。

あの時と同じように、眼下の美羽はふるふると首を横にふって否定する。

「いいんです。ホテルで過ごすよりも、私にとってはここが一番、大切な場所ですから」

「美羽…」


美羽の言う大切な場所、それは他でもない彼らの自宅だ。
子どもが産まれたことを機に、一軒家を構えた彼らにとって、正真正銘こここそが『帰るべき場所』となった。

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