愛を知る小鳥
「それに…潤さんは私に欲がないってよく言いますけど、ほんとはそんなことないんですよ? それどころか本当は誰よりも欲張りなのかも…」
思ってもいない一言に、そんな記憶が僅かほどもない潤は不思議そうに首を傾げる。
「だって、こんなに素敵な旦那様と一緒になれて。可愛い子ども達にも恵まれて。それだけでも充分幸せなのに、今日はこの家で潤さんを独り占めできるだなんて。そんなこと、子ども達ですらできないのに。贅沢しすぎて、バチが当たっちゃうんじゃないかって不安なくらいです」
はにかみながらそう口にする姿がたまらなく可愛らしくていじらしくて、込み上げてくる何かを抑え込むように美羽の体を抱き上げた。
「きゃっ?! じ、潤さん?!」
「全くお前って奴は…一体どこまで底なし沼なんだよ」
「そ、底なし沼…?」
脈絡のない会話に、反転した視界の中で美羽がぽかんとしている。
そうこうしているうちにリビングまでやってくると、大きなソファーにどさりと腰を下ろし、美羽の体をそのまま自分の膝の上へと乗せた。