愛を知る小鳥
「美羽さん、お兄ちゃん、いらっしゃい」
「あっ、亜紀さん! 子ども達が至れり尽くせりでよくしてもらったみたいで…本当に本当にありがとうございます! お世話になりました」
自分の子を引き連れて出てきた亜紀に、美羽が深々と頭を下げる。
「やだ、そんなにかしこまらないでください! 昨日も言ったけど、家族皆が楽しみにしてたことだから。むしろお礼を言いたいのはこっちの方ですよ」
そうは言いつつ亜紀には1歳になったばかりの子どもがいる。
人手が多い家だとはいえ、やはり大変だったに違いない。
「亜紀、俺からも礼を言う。ありがとう」
「やだ、お兄ちゃんまで。なんか照れるな…。…どう? 少しはゆっくりできた?」
「あぁ、おかげさまで。じっくりたっぷり夫婦の時間を満喫させてもらったよ」
「ちょっ、潤さん…!」
意味深に笑う潤に美羽が慌てるが、亜紀は生温~い顔で微笑むばかりだ。
「そっかそっか、聞くだけ野暮ってものだったよね。ご馳走様~」
「あ、亜紀さんまで…!」
「ままー、どうしたの? おかおあかいよ?」
子どもに突っ込まれるほどわかりやすい自分が恨めしい。
そんな美羽の羞恥とは正反対に、その場は朗らかな笑い声に包まれた。