愛を知る小鳥

「ねぇ、パパ、ママ。ぼくもいもうとがほしい!」

「___えっ?!」

そうして祖父母を含めた家族総出で潤一家をお見送りしようとしていたまさにその時、次男が何の前触れもなくそんなことを言いだした。

「だってね、ふーちゃんすっごくかわいいんだもの。ぼくにはおにいちゃんとおねえちゃんがいるけど、とししたはおとうとしかいないでしょ? だからいもうとがほしいの。…ねぇ、だめ?」

「だ、だめってことは…」

むしろ可能性が大である一夜を過ごしたばかりなわけで。
心当たりがありすぎて美羽は思いっきり動揺してしまった。

ただでさえ夫婦仲のいい潤と美羽が、二人きりの記念日をどう過ごしたかなど想像するに難くない。それだけに、その場に居合わせた大人だけが何とも生温い笑みを浮かべている。

ちなみにふーちゃんというのは亜紀の娘の風花のことである。
1歳になったばかりで、いかにも幼児らしいふくふくの体型に、にーちゃ!と言って懐いてくれるものだから、潤の息子達はもうめろっめろなのだ。

3男1女の4人兄弟である子どもたちだけに、小さな女の子を見て妹が欲しくなるのも当然の感情だろう。

期待に目を輝かせる次男を前に、潤はふっと微笑みながら膝をついて目線をあわせた。
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