カラダ探し~第ニ夜~
お父さんにそう言われるまで忘れていた。
必死になって真冬の傷口を押さえていた手は真っ赤に染まり、白いチュニックにも所々血が付いていたのだ。
「うん……トイレに行ってくる」
今の私は美子と同じ……白い服が赤く染まって、手も真っ赤。
こんな事を、美子は本当に望んでいるのかな……。
何も分からないまま、私はトイレに向かった。
パシャパシャ……。
トイレの手洗い場で、真冬の血で染まった手を洗い流して、私は正面の鏡を見た。
せっかく留美子にメイクしてもらったのに、涙で崩れてしまっている。
「黒い……涙か」
あれだけ泣きじゃくったのだから、それも当然かな。
メイクを落としても、整えても、0時になれば「カラダ探し」が始まってしまう。
だったらこのままでいい。
私は自分を偽るつもりはないし、人にどう見られてもかまわないから。
血の涙が出そうなほど辛いのに、その涙は黒い。
「昨日」に戻ったら、真冬は死ななくても済むのなら……買い物なんて行かない。
学校が終わったら、すぐに家に帰って真冬を家から出さない。
そう決めてトイレから出た私が、玄関の方を向くと……そこには、院内の見取り図を見ている留美子の姿があったのだ。
必死になって真冬の傷口を押さえていた手は真っ赤に染まり、白いチュニックにも所々血が付いていたのだ。
「うん……トイレに行ってくる」
今の私は美子と同じ……白い服が赤く染まって、手も真っ赤。
こんな事を、美子は本当に望んでいるのかな……。
何も分からないまま、私はトイレに向かった。
パシャパシャ……。
トイレの手洗い場で、真冬の血で染まった手を洗い流して、私は正面の鏡を見た。
せっかく留美子にメイクしてもらったのに、涙で崩れてしまっている。
「黒い……涙か」
あれだけ泣きじゃくったのだから、それも当然かな。
メイクを落としても、整えても、0時になれば「カラダ探し」が始まってしまう。
だったらこのままでいい。
私は自分を偽るつもりはないし、人にどう見られてもかまわないから。
血の涙が出そうなほど辛いのに、その涙は黒い。
「昨日」に戻ったら、真冬は死ななくても済むのなら……買い物なんて行かない。
学校が終わったら、すぐに家に帰って真冬を家から出さない。
そう決めてトイレから出た私が、玄関の方を向くと……そこには、院内の見取り図を見ている留美子の姿があったのだ。