カラダ探し~第ニ夜~
「留美子、こっちだよ」

その声に反応して、慌てて私の方を見る留美子。


「美雪!ど、どうなったの……真冬ちゃんは!」


「まだ……分からない。誰も部屋から出てこないから……」


真冬が運び込まれた部屋の方に顔を向け、私はそう呟いた。



留美子と一緒にお母さん達の所に戻り、真冬の無事を祈った。


だけど、しばらくして部屋から出てきた医師から告げられたのは……真冬の死。


その瞬間私もお母さんも床に崩れ落ち、どれだけ泣いたか分からない。


全部私が悪いんだ……私が横断歩道を渡るまで足の痛みを我慢すれば、真冬は死ぬ事はなかったんだ。












「……車を裏口につけてくるから、お前達はここにいなさい。真冬を……寝かせる準備をしてこないと」


しっかりとした口調……そう思わせているけど、お父さん……声が震えてるよ。


我慢なんかしなくてもいいんだよ。


「真冬ちゃん……どうして……」


お父さんに支えられて、長椅子に腰を下ろしたお母さんは、壁を見つめたままブツブツと呟いている。


私も、そんなお母さんの事を心配できるほど、精神状態は良くない。


でも、私以上に泣いていたのは留美子。
< 452 / 607 >

この作品をシェア

pagetop