貴方との想ヒ出日記
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五時間目は授業参観。

私達6年生は神戸子供音楽祭にでる。

合奏唱、花は咲く

合奏、剣の舞。

私はグロッケン担当。

今はその五時間目が終わって楽器の片付けをしています。

グロッケンは楽だけど横のシンセを片付けるのが大変だから早く片付けが終わるグロッケンが手伝う。

「キョウカ。私このスピーカー持ってくね。」

「え?カナ1人じゃ無理やって!カナ細いんだしスピーカー重たいし」

「大丈夫だよ」

そう言うと私はスピーカーを持って舞台の上に上がってマットの上を歩き出して跨ごうとした。

「島野、アコーディオン運んだってんから好きな人教えろよ」

「そんなの教えますなんて言ってないしシュウが勝手に決めただけだし」

「俺はその条件付きで運んだんだけど?」

「ぁ…」

バランスを崩してよたついた時、小さく声を漏れた。それがシュウに聞こえたのか

「カナ。貸して」

遠くに居たシュウはこっちまで走ってきてスピーカーを私の手から取り上げた。

その時にシュウと手が当たった。
当たった部分だけが異様に熱いよう…

「カナ、これどこ?」

「ぁ…ゴメンシュウ。こっち」

「これ重いな」

「持たせてゴメン。手伝おか?」

「いや、カナここまで1人で持って来とったし俺だってこれくらい1人で持てるし」

「気ぃつけてよ?

あ、ココ」

「ふぅ。」

「ありがと、シュウ。」

「どーいたしまして♪」

あーあ。
こんな風にさりげなく優しいから諦めきれないんです!

それにいい加減気づきなさいよバカ…

な〜んて言えないけど、ね…

背を向けて他の人と話しながら歩いてるシュウの後ろ姿に誰にもばれないようにあっかんべーしてやった。
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