ヴァニタス
彼の言っている言葉がわからなくて、私は首を傾げた。

「君が死ぬまでの時間を俺と一緒にこの町で過ごさないか、って。

海と山に囲まれた小さな町だけど、ここで余生を過ごすのも悪くないかも知れないよ?」

「それは、わかりますけど…」

私は、どうして最期の時間をあなたと過ごさないといけないのかって聞きたいんだけど…。

そんな私の疑問を読みとったと言うように、
「俺1人で暮らしてるからさ、家政婦みたいな人が欲しいなって思って。

この町はコンビニが少ないから、小さいスーパーで何かテキトーなもの買ってご飯作ってるし、掃除や洗濯だって全部1人でやってるし」

彼が言った。

「か、家政婦…?」

そんな理由で、私があなたと一緒に余生を過ごすの?
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