ヴァニタス
絵を描いて、ご飯を食べて、私と会話を交わして…そんな武藤さんの姿から、私は何も想像できなかった。
ドラムをたたきながら歌っている姿はもちろんのことだけど、彼が病気だと言うことも私は知らなかったうえに想像できなかった。
何で私は、好きな人のことを何にも知らないのだろう?
何で私は、好きな人が病気だと言うことに気づかなかったのだろう?
ミュージシャンだったことや病気のことを教えてくれなかった武藤さんも武藤さんだけど、それを知らなくて気づくことができなかった私も私だ。
「――私は…」
口を開いたら、涙がこぼれ落ちた。
「私は、武藤さんのことを弱い人だなんて思っていません…」
泣きながら言った私に、
「ムトウのことを何も知らなかったのに、どうしてあなたはそんなことが言えるの?」
クロエさんが言った。
ドラムをたたきながら歌っている姿はもちろんのことだけど、彼が病気だと言うことも私は知らなかったうえに想像できなかった。
何で私は、好きな人のことを何にも知らないのだろう?
何で私は、好きな人が病気だと言うことに気づかなかったのだろう?
ミュージシャンだったことや病気のことを教えてくれなかった武藤さんも武藤さんだけど、それを知らなくて気づくことができなかった私も私だ。
「――私は…」
口を開いたら、涙がこぼれ落ちた。
「私は、武藤さんのことを弱い人だなんて思っていません…」
泣きながら言った私に、
「ムトウのことを何も知らなかったのに、どうしてあなたはそんなことが言えるの?」
クロエさんが言った。