ヴァニタス
あ、そうだ。

私は武藤さんに、昨日実家に電話して両親と久しぶりに話をしたことを話した。

「そう、それはよかったね」

「勝手にいなくなったことと相談してくれなかったことに関しては、怒られちゃいましたけどね」

「まあ、それに関しては終わったことだし、果南ちゃんも無事に生きていたからよかったでしょう?」

そう言った武藤さんに、
「はい」

私は首を縦に振ってうなずいた。

「俺のことはご両親に話したの?」

そう聞いてきた武藤さんに、
「一緒に暮らしていると言っただけで、詳しいことはまだ話していません。

近いうちに武藤さんのことを両親に話すつもりです」

私は答えた。

「そう、ならよかった」

武藤さんはホッとしたと言うように息を吐いた。
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