ヴァニタス
――果南ちゃんがまだ生きていたら、一緒にお花見をしようか?

出会った頃に交わされたその約束がかなうまで、後少しになってきた。

あの時はそんな約束がかなう訳がないとか、死にたくても死ねないじゃないかと思っていた。

だけどこの季節が終わって、温かくなったら、テラスの桜の花が咲く。

それを武藤さんと2人で見ることができると思うと、私は生きていてよかったと心の底から思った。

「来年はもちろんのことだけど、再来年も果南ちゃんと一緒にお花見がしたいな」

武藤さんが言った。

「私もそう思います。

私も武藤さんと一緒にお花見をしたいって思っています」

そう言った私に、
「嬉しいことを言ってくれるね」

武藤さんは笑いながら言った。
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